INTERVIEW: Virginie Ledoyen Marie Claire 2000.8月号

"Je ne suis pas un monstre de bonheur."私は幸福の権化と言うわけじゃないもの。

才能があり働き者で、ほぼ洗練されている、表向きにはそうみえる。
裏から見たら、郊外出身で、9歳の時から映画出演しているインテリとも言える。
既に長く続いている成功を恋愛、出会いや「レ・ミゼラブル」でのコゼットを演じること
同様、彼女は理性的に分析する。 インタヴュアー:ミシェル・マンソー
 

彼女は23歳だが、既に長い過去がある。イザベル・アジャーニと同じく、郊外の移民の家族の出身である。(祖母はスペイン人で管理人だ。)アジャーニと同じく、彼女はあらゆる限界をその美貌と才能で乗り越えて来た。彼女は若手女優の中で最も働き者で、最も教養があり、最もセクシーだと言われている。2000年カンヌ映画祭のオープニングとフランス映画の未来のプレゼンターに抜擢された。これだけ認識されても、彼女は足取り軽く、遅刻もせず、信頼でき、気取りもない。
彼女がつまらない人なら完璧だろう、ところがその反対なのだ。特質と呼べる珍しい何かで、いつも公正な口調で人を魅了してしまう。
今秋、彼女はTF1で放送される「レ・ミゼラブル」にジェラール・ドパルデューと共演、コゼットを演じる。彼女は白けてもいないし、夢見心地でもない。自分を見失うことなく、ジェラール・ランヴァンやレオナルド・ディカプリオとも共演してきた。友人や両親を迎えることが出来る自分の家を南西に買うのに十分なお金を既に稼いでしまった。伴侶の男性を愛し、読書を愛し、お料理を愛している。しかしこのバランス感覚はどこから来るのだろうか?そんな謎をたぶん解明したいのかも知れない。
 

自分は若いんだって気はします?

(笑)ウイとノンかな。若い気はするけど、もう15年もこの仕事をやっているのよね。そう考えると変な感じがするわね。長くて短かったわ。

これだけ長いこと仕事で成功して、そこから何を得たと思いますか?

豊かさ。それは確かね。

シニカルになったり、自惚れたりはありませんか?

ないといいけどな。どちらもないと思う。

若い時に全てが与えられてしまって、驚きすらないのではありませんか?

それは違うわ!驚きは毎日あるわよ。今日もね。場末のカフェじゃなくて、ビアリッツのパレ・ホテルの素晴らしい食堂にいるじゃない。

こういう場所はもう見慣れたんじゃありませんか。

私は白けてはいないし、そうなりたくないわ。9才の時にオーディションに行って、楽しかったのね。水曜日の午後は、何だかレジャー気分で、15年後の今でもまだ映画に出ているわけ。この仕事がずーっと好きなのよね。これ自体が驚きでしょ。今年は本当にたくさん飛行機に乗ったの:ロスへ、ハワイに、ニューヨーク。時差ぼけにはうんざりだけど。時々は「げっ、またNYへ行かなければいけないの?」って思ったわ。でも自分で自分を笑わせていたのよ。自分がスターの風刺になったような気がしたのね。

印象に残っている人との出逢いは?

たくさんあるけど、一人だけあげるわね。イザベル・ユペール。なぜかと言えば、最初は夢を見させてもらって、その後、実際彼女に会って、生活ぶりを見て一緒に仕事することが出来たのね。彼女は私が映画で好きな事を全て体現している人よ。

あなたは凄くプロ意識が高いと言われていますね。気まぐれも起こさないし、時間も厳守する。あなたと皆仕事をしたがる。

それは最低条件じゃない。私は時間にルーズな人は大嫌いなの。仕事以外の日常生活でも同じね。「8時半に行くよ。」って言っておいて、45分に来る人、ムカつくわ。たとえ15分でも、私はイヤ。(笑)私は執念深いから。

欲しいものがある時は、あらゆる手段を尽くすほうですか?

ええ、たとえダメだとしてもね。やってみるまで分らないでしょ。大切なのは、成し遂げようとする意志だと思う。

服を買うときは、欲しいものが分っていますか?

服は滅多に買わないの、でも買う時は、たくさん買うから、見つけるのが大変。お店をはしごする気はないから、いつも Zadig et Voltaire と言うお店にしか行かないのね。そこは全てのブランドが揃っているのよ。

高級、有名ブランドは?

仕事で着るのは大好きよ。見られるために装って、お化粧をしてね。それが仕事だもの。

カンヌ映画祭での司会の仕事は、楽しかったですか?

もちろん。仕事は大好きよ。依頼された時は、幻覚を見ているのかと思ったわ。信じられなくて、「狂ってるわ、自分を何様だと思っているの?」って自問したもの。いつもそんなことを考えているのね。

カンヌでのこの仕事は、ギャラをもらったんですか?

ええ、もらえるのって、驚いてしまったわ!

ビビりませんでしたか?

いいえ、ある役を演じるのと同じですから。「役作りはどうやってするんですか?」って良く聞かれるのですが、私は答えられないんです。シナリオを読んで、自分に出来るかどうか感じるだけです。一人でに働く無意識を信じているんですね。「このシーンはこうやって演じよう」なんて考えないんですよ。

演技の勉強をしたことがないのに、役作りの心配はないんですか?

ええ、ううん、いつも心配なのよ。いつもだけど、絶対ないの。私はその怖さに慣れているのね。

(カンヌ)映画祭の期間は、楽しまれました?

二週間は、海の近くにある自宅に帰っていたんです。初日と最終日の夜だけ出席しました。私はすごく社交的って方ではないので。

あなたのようにとても若くて、大金がある人はどうするんですか?使ってしまいます、それとも貯めるんですか?他人より稼ぎがあると言うのは、嫌な気分、それとも単に満足?

お金って複雑ですねえ。私には大切ですけど、お金自体が大切って、定義する訳じゃないけど、稼ぎで人を判断することはないですね。ただ私がいるこの世界では、お金は自由を約束してくれるから大事なんです。もうお金は十分あるから、要らないってことにはならないでしょう。私の家族の間ではそうですね。

ギャラの高い役を断れますか?

高額なら、難しいでしょうね、でもいつも働いている訳にはいかないでしょう。三年先まで、私を楽しませてくれるプロジェクトがある俳優たちが
いるしね。

映画の共演相手は、皆ハンサムですけど、実際はどんなタイプの男性が好きですか?

あまりおしゃべりじゃない人。見えを張る人や、他の人より大きな声で話す人は好きじゃないわ。存在感があって、貫禄がある男性が好きね。自己完結しているけど、存在感がある人。落ち着くし、ワクワクさせてくれるでしょ。

あなたにはパートナーの男性がいましたが、ずーっと同じ人ですか?

ええ、もう三年になります。でも彼の話はしませんよ。1回だけ口を滑らせてしまったことがあるけど。

あなたは誠実?

ええ、友情と恋愛ではそうだと思う。でも人は誠実でありながら軽薄にもなれますよ。

軽薄で真面目?仕事も、厳格さも、誠実さでも真剣なの?

真剣さから、狂気へと移行出来るんじゃない?私は他の可能性もありえる少し確立された事が好きなの。私は家が大好きなのね。
"解体”するために作られているでしょ。(笑)

パートナーの人は嫌がりませんか?

嫌がらないわ。制約が多いほど、人は自由になれるのよ。

計画を立てるのは大嫌いと言う人がいますけど、あなたはどうですか?嫌いなほう?

全然、計画を立てるのは好きですよ、仮に実現しないとしてもね。でもおかしいのだけど、自分がするだろう事を知らないってことにはならないから。

自分を疑うことってありますか?初めてあなたに会ったのは、「シングル・ガール」の上映の後で、ブノワ・ジャコ監督のこの映画の中で、あなたの廊下の歩き方が素晴らしいと誉めたわ。あなたは嬉しそうに”それだけ?”って聞いたわね。

当時私は17歳で、皆が私の歩き方を話題にしたから、傷ついたの。”私は女優なのよ、私の演技がどうだったか話してよ!”って思ったもの。体で演技出来るってその時は知らなかったから。本能的なことだったのよ。

あなたは読書が好きなのですよね?

ええ、大好きですね。学校へ行く前に母が読むことを教えてくれたんですね。

今でも両親とはいい関係ですか?

私は両親と弟に夢中なんです。弟は19歳で、身長が180センチもあるのですが、私はいつも小さい弟って呼んでいるんです。今、私の家に来てくれるのは彼らなんです。

あなたが家長になったのですか?

分らないわ。私は時々、まだ子供でいられたらいいなと思うし。実際、インタヴューを受ければ受けるほど、嘘をついてしまうの。

嘘つきだからですか?

自分のことを話すと、否が応でも馬鹿なことを口走ってしまうでしょ。時々、退屈して、自分で自分を笑わせるために作り話をすることもあるし。時には自分がそれに気付かないこともあるわね。

じゃあ、弟さんの話も嘘だったの?

本当よ。ミカエルはきちんと存在するもの。

あなたは笑うのが好きですけど、笑わせるのは?

そう来るだろうと思ったわ。こう考えたんでしょ:働き者のお利口さんで、銀行にお金を持ってて、家が好きで、退屈な人間の条件を全て満たしているって。でも人間にはいろいろな側面があるでしょ。私が時間を守るから、嫌な女って訳じゃないし。インタヴューをたくさん受けると、人物像が浮かんでくるじゃない。皆ルドワイヤンってつまらない子、お利口さんって、思ってるのね。

お利口さん?あなたのタバコの吸い方はひどいわよ。止まらないんだもの。哺乳瓶を吸うみたいにタバコを吸って。まだ子供みたいな感じなのに。あなたはかなり年上の男性が好きなんですって?

ルールがあるわけじゃないわよ。私より15歳上って、そんなに年上かなあ?友達は皆、同年代なんだけどね。私は男性を年齢では判断しないから。

別れを経験したことはあります?

もちろん、人生色々あるもの。別れってイヤよね。それが13歳の時でもね。恋人が自分に会いたがらない、あるいは自分が恋人に会いたくない。その理由も理解出来ないの。完全に打ちひしがれてね。

あなたは陽気な人だって気もするわ。

ええ、そうよ。まだハッピーだもの。でも恋愛について聞かれても何を言ったらいいのか分らないわ。私は信頼しているし、楽天家だから。それが私の意志かな?映画の撮影が終ると、寂しがる俳優もいるけど、私は嬉しくてしょうがないのね。撮影が嫌いって言う訳じゃなくて、映画が形になったことが嬉しいの。やった、終わりね、最後まで頑張れたわ。映画が出来たのねって。私にはそれが本当の喜びなの。

仕事が終ると、日常生活に戻るのが大変って言う女優の話を聞いたことがあるけど。

私は違うわ。海辺を走っちゃう。スタッフたちとの別れも悲しくはないわ。また会えるし、感じあえる物があった人たちとは再会できるのよ。もちろん、毎日毎朝セットで5時半にと言う訳にはいかないけど、いつかきっと会えるのよ。好きだって言う理由で毎日友人に電話しないでしょ。

孤独は怖くない?

私は一人じゃないもの。友人もたくさんいるしね。料理を作ったり、部屋の整理したりするもの好き。それでも不安を感じることもあるわよ。私はしあわせでどうしようもないって訳じゃないもの。傷ついたり、理解できなかったり、失敗の不安が私にもあるわ。実際私は少し「跳ね返り」気味なのね、つまり、上手く行かない時は、遠くまでジャンプしてしまって、限界まで、これ以上我慢出来ないってところまで行ってしまうの。でもそんな奈落みたいな場所に喜びを見つけるのは大嫌いなのよ。そんな状態に落ち込んで、うんざりしたことがあるの。自分が悲しいのか、そう言う状態になって嬉しいのか、そういう状態の私を見て他人が喜ぶのかも分らなくなってしまって。イライラして、その状態がまた来て、高くジャンプし直そうとするわけ。

ある評論家が、「ヴィルジニー・ルドワイヤンは若くして、成功し、年を取っていくのは仕方ないとしても同年代では今後も活躍を期待できる唯一の女優だ、しかし彼女には転換が必要だろうか?」って書いていたわ。何が言いたかったのかしら?

知らないわ。年は独りでに取っていくけど。

これからのキャリアはどんな風に進めて行きたい?

我慢強くね。★

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